作家: 王寧德(ワン・ニンデ)
会期: 2010/3/31 - 4/25
オープニング・パーティー: 2010/3/31 18:00-20:00(作家在廊)

王寧德は驚くべきことを達成しました。シリーズ「某一天 Some Days」で編み出した作品はいずれも彼のものとすぐにわかります。この作品の持つ雰囲気は郷愁や記憶や夢を包み込んでいます。

眠るために眼を閉じるとき、私達は何を感じているのでしょうか。まったくの無意識か、それとも夢を見ている時の奇妙な感覚でしょうか。夢は経験の本質的要素による無意識の精神で組み立てられています。

王寧德の写真の本質的要素のひとつに、閉じた眼もしくは開いた虚ろな眼があります。ほかの要素としては人民服が挙げられるでしょう。この洋服は孫文の意匠によるもので、中国の優雅な伝統服や西洋のドレスのスタイルを拒否しています。この屈折した非審美的な洋服が中国共産党の象徴となったことはばかげた結末です。この洋服の奇妙な飾り気のなさは、それを受け入れた中国共産主義の単純さと釣り合っています。

シリーズ「某一天 Some Days」の作品において、全ての被写体が人民服を着ているわけではなく、また全ての眼が閉じているわけでもありませんが、全ての作品が夢の要素を含んでいます。王寧德は20世紀の中国から本来の純粋な要素を引き出しています。


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